鼠の気ままに馬ライフ

POGや一口馬主など、競馬にまつわる話をしていきます。

2021年サマーセールでの京サラ(+関連名義)の落札馬をチェックしてみた

皆様ご無沙汰しております。

やよいです。

 

さて、先日夏の馬セリであるサマーセールが開催されました。

日本での馬セリといえば、社台グループが主催であるセレクトセールが有名ですが、規模としてはサマーセールのほうが格段と大きくなっています。

今年に関していえば、セレクトセールが1歳馬242頭なのに対して、サマーセールは1336頭が上場したことからも、頭数が格段と違うことがわかります。

 

そもそもセレクトセール自体も、社台グループで繁用されている牝馬の産駒がすべて登場するわけではないですし、サマーセールに上場する馬もまだまだ7000頭前後いるであろう世代のほんの一部ですから、馬産の規模の大きさも感じられることでしょう。

 

さて、このサマーセールでは、やはり社台グループの馬と違って渋めの血統や、マイナーな種牡馬の産駒が上場することが多くみられます。

それでも、このセールで取引された馬の中からも多くの活躍馬が出てきています。

その中でも代表的な馬といえば、現在種牡馬として活躍しているモーリスや、昨年の全日本2歳優駿を勝ったアランバローズなどがいます。

とはいえ、ノーザンブランドという看板があるとはいえ1億の大台に乗れば話題になるというセレクトセールと比べると、一頭当たりの落札価格が少ないのがサマーセール。

むしろ1000万を超えれば高いといえる基準かなと思っています(個人的見解です)。

ノーザンブランドがないんでその分安くみられるというかなんというか…。

 

さて、サマーセールについて色々書き散らしていますが本題はここから。

 

 

この文章を打っている私は現在一口馬主をしていますが、そのクラブが新興となる一口クラブ「京都サラブレッドクラブ」となります。

知っている人は、「ああ、あそこ…」となるかなとは思います。

サマーセールのニコ生コメントを見ていたら「滋賀の京都」とか「お、おう」とか「うわあ…」というコメントがされるくらい認知度はあるクラブです。

…あっ、一つめはともかく他二つって悪評の意味でじゃねえか、これ!

まあ、クラブとしては色々あります(した)が…。

クラブのコンセプトとしては、「なるべく損を出さないように、そして長く楽しんでいただく」「ダート戦を主なターゲットとする」の2点。

現2歳馬の世代もサマーセールにて4頭落札し、うち3頭がクラブで、残り1頭がオーナーズにて募集されていますが、やはり基本的にはダート向きの血統。

サマーセールだと、安く血統がいい馬も上場し落札できますから、そういった意味でクラブ的にも向いているセールだったりします。

 

その中で、今年サマーセールにて京都サラブレッドクラブ(以下長いので”京サラ”とします)名義に加えて関連名義で落札した馬を分析していきたいなと思っています。

関連名義?と思うかもいるかもしれませんが、今年2歳デビュー組からオーナーズが作られており、代表の山上氏が代表名義をすることになりますから、山上氏の個人名義としての産駒は今年デビューの馬からはいないはず。

しかし、山上氏が落札した馬もいますから、法人に回ってくる可能性が十分高いでのです。

それに加えて、山上氏が経営をしている医療法人としての落札もありますから、恐らくどこかしらでかかわってくる可能性はあるとみています。

なので、京サラ名義だけではなく山上氏に関連する法人の馬も含めてチェックしていきます。

 

…え、そもそもなんでわざわざチェックしようとしているかって?

そりゃあ、募集された時の参考にするからですよ…?

 

 

京サラ名義

まずはクラブ法人名義で落札した馬から。

今年のセールでは4頭が落札されています。

 

アジアエクスプレス産駒は昨年産駒がデビューしたばかりでこの世代が3世代目となります。

サイアーランキングとしては2世代目がデビューしている今年のサマーセール直前のランキングは54位と、中々の位置につけている程度には産駒が走っています。

母バブルウィズジョイは白老ファームで生産された、父ダイワメジャーに母父クロフネの産駒です。未勝利に終わりましたが、アジアエクスプレスダイワメジャー、そしてクロフネとすごくマイルぐらいまでなら走りそうな種牡馬の名前が出てきます。

ただ、血統面ではそれだけで終わりません。

バブル…という文字から少しピンときた人もいるかもしれませんが、3代母はバブルドリーム。

…そう、この馬の祖母はディープブリランテの母ラヴアンドバブルズの妹という血統なのです。

この牝系からは他にも天皇賞バブルガムフェロー菊花賞ザッツザプレンティなど輩出しており、名牝系と言って差し支えないでしょう。

 

因みにこの馬は5月12日生まれとサラブレッドとしては遅生まれなのですが、あとからそれを知って驚きました。

というのも、セリに登場したこの馬は2歳馬で募集された同じアジアエクスプレス産駒のオリエンタルキングのように雄大な馬体で、「これで1歳なのか…」と感じたほど。

クラブとしても、アジアエクスプレス産駒に対しての手ごたえを感じていそうですし、血統的にもダートで鳴らしてくれそうですから、募集されれば人気が集まりそうな気がします。

自分も、価格帯と所属予定の厩舎にもよりますが、募集されれば第一候補になるかなあ、という印象でした。

 

 

頭目の落札となったのが母トーセンジュエルの仔です。

カレンブラックヒルダイワメジャー産駒でNHKマイルを勝つなどマイルの距離で活躍した馬です。

こちらは19年に産駒がデビューして、この馬が4世代目となります。

JRAではまだ大物こそ輩出していませんが、地方では重賞勝ちを出しています。

産駒の成績を見ると、無難というか堅実というか…地味ですが、そこそこ勝ち上がっていて今年のサイアーランキングは現時点で35位ですから、大物でなくともコツコツ稼ぐというクラブの方針に向いた馬かもしれません。

母トーセンジュエルは1戦0勝という戦績ですが、母父ヴィクトワールピサというポイントは中々深みがありますし、祖母ローズジプシーは仏1000ギニーを勝った名牝です。

…と考えると、いうほどダート血統感は薄いです。父も唯一挑戦したダート戦フェブラリーステークスでは惨敗していますし。

ただ、産駒の活躍はダートのほうが勝ち数が多いですし、ダートを中心に走ることは間違いなさそうです。ダートメインでも芝も走る感じになるでしょうか。

それにしても、先ほどのバブルウィズジョイもですし、今年2歳馬の募集馬の母も複数社台グループで生産の馬ですし、元社台系の牝馬の産駒を狙っているところはあるのかな…?

勝ち上がりまでは時間を要したとしても、コツコツ稼いでくれる期待もありますし、選択肢になりうるかなーと。

 

 

クラブ名義3頭目の落札馬は割とフォロワー界隈でざわつくことになりました。

というのも、クラブとしては破格の落札価格税込1045万。去年のサマーセール落札馬でもここまでの値段にはなりませんでした。

父ミッキーロケットはこの世代が初年度産駒となる新種牡馬宝塚記念を勝っていますが、他に勝った重賞は中日新聞杯だけという癖の強いキングカメハメの後継種牡馬となります。

母スリーアフロディテはその父スズカマンボ、その母アイライクスズカという「スズカ」の冠で有名な永井氏の所有馬同士の牝馬

父ミッキーロケット、母父スズカマンボ、母母父ラムタラと非常にニッチな血統な感じです。

きょうだい揃ってサマーセールに上場しており、一番上の姉スズカパイロットは永井氏、3歳のサイレントナイトは去年やってくれた某大阪の税理士こと大塚氏、一つ上の姉オーエンズテソーロは了徳寺氏ときょうだいの馬主も強すぎる。特に2番目ェ…。

 

きょうだいはダートを走っていますが、父がどう出るのかというところ。

宝塚記念を制するまでは「適性は2400m以上で3000mは長すぎる。2000mは短い」と考えられるような癖の強さですし、キンカメの血こそ入っていますが、ダートの短距離…はなんか違うようなという感じ。

それを考えるとこの値段で落札して、どこを走らせるつもりなのかなと感じます。

…もしかすると、クラブじゃなくオーナーズで募集するのかな、と思ったりも。

 

 

頭目でクラブ名義としては最後に落札したのがダンカーク産駒のこの馬でした。

ダンカークは重賞こそ勝っていないものの、血統の良さから種牡馬となり、のちに日本に輸入されています。

母ホウショウバレンは南関浦和競馬を中心に走り、9勝を挙げるなど活躍した馬。地方ということであまり注目度は高くないですが、母父ネオユニヴァースという血統です。

加えて重要なのが祖母がホウショウルビーということ。祖母は秋華賞に出走したこともある馬。

その年の秋華賞のメンバーを見ると、勝ち馬はカワカミプリンセスですし、それ以外もフサイチパンドラやらシェルズレイやら…話がそれてしまいましたが、このメンバーを見るだけで興奮してしまいます。

話を戻すと、母の血統的にもダート向きですし、父もダートで走っていたことから京サラらしい落札馬だなと思います。

加えて、セリの動画を見ていましたが、中々落ち着きのある様子でしたし、いい意味でおとなしいのならいいかなと思います。

はっきりとしたダート血統ですし、所属厩舎次第かなあ…。

 

山上和良氏名義

山上氏はクラブ法人の現代表、オーナーズの共有馬主代表となっています

3歳以上の馬は個人馬主として活動していますが、共有馬主の代表となるため、19年産駒からは共有馬主というくくりになります。

氏としては2頭落札していますが、少なくとも募集される場合はオーナーズ優先になるかもしれません。

 

個人として最初に落札したのがアジアエクスプレス産駒の牝馬

クラブとしては牡馬ばかり落札していますから、牝馬というところが非常に目立ちます。

母マウンテンウーマンは未出走ながらも祖母はアイルランドのG1を勝っているという牝系。

母父はあのモンジューですから、アメリカと欧州の血統が混ざっている産駒となります。

 

きょうだいは大物こそ出ていないものの、父ヘニーヒューズマイネルクライマーは地方で6勝。中央でも勝ち上がっています。

血統的にはアジアエクスプレスの父ですから近いものがありますし、牝馬ですが堅実に走る可能性が見られそうです。

 

 

個人名義で落札した2頭目トーセンラー産駒の牡馬です。

トーセンラーは芝のマイルから長距離の重賞など様々なレースに出走し、G1ではマイルCSを勝つほか、秋の天皇賞で2着、菊花賞で3着という実績を持っているディープインパクト産駒の馬でした。

…山上氏としては珍しくダートというよりは芝向きぽい血統です。

はっきりとした大物こそ輩出しているわけではないですが、今年のエプソムカップを勝ったザダルがおり、これから大物が出てくる可能性がある種牡馬と言えそうです。

 

母ミセススノーは外国産馬で、母父シングスピールは招待されたジャパンカップにてファビュラスラフィンをハナ差で破って勝つなどの実績のある馬です。

というか、母ミセススノーの血統が欧州の馬らしくかなり重め。

この馬のクロスでやっとGlorious SongとDevil's Bagという全きょうだいクロスが3x4になるレベルですから…。

 

一昨年出産した産駒までは白老ファームの生産になっていたのですが、この馬からは個人の牧場での生産となっています。

一つ上の馬は音沙汰もなく、その上の産駒も未出走で抹消されるくらいで、評価を大分落として売却されたのかと思われます。

とはいえ、それより上のきょうだいはディープ産駒のフェイブルネージュが3勝を挙げるなど中々堅実に勝っています。

母も高齢になってきていますが、トーセンラーを付けることでまた違った強みが出てくれば面白い存在になるかもしれません。

…が、価格こそ安いもののなんというか、クラブに来るかなあ?と思ったりも。

でも、昨年の募集馬にはバンデ産駒なんていたりしましたし、こういうマイナー種牡馬だからこそクラブで募集する可能性は十分あるのかなと。祖父ディープですし普通に評価したい牝馬です。

 

 

(有)アップライト名義

企業としての名義になりますが、こちらは山上氏の経営する医療法人の、コンタクト販売関連の法人。

因みに昨年はこの名義で2頭落札しているのですが、一頭がオーナーズで牡銃を駆けられており、もう1頭が先ほど名前を出したバンデの産駒、チェルキオでした。

恐らく細かく分けているのは経理上の色々な要素が絡んでいると思うのですが、恐らくこの名義で落札した以上、クラブ法人に回ってくることは確実でしょう。

それが、クラブなのかオーナーズなのかはともかくとして。

因みに今年は3頭落札しています。

 

 

ダノンレジェンドはダートのスプリントで活躍した馬で、この世代が3世代目となります。

まさに山上氏が好みそうなこの牡馬が最初の落札馬です。

 

ダノンレジェンド自体はダートの短距離で走っているのですが、産駒こそ重賞勝ちは

いませんがやはりダートの短距離を走る馬が多め。

…なのですが、現在の出世頭であるジュディッタはすべてのレースがダート1800という中距離で5戦走り3勝を挙げており、決して短距離の馬しか出ないわけでもなさそう。

もしかすると母の傾向もある程度影響させてくるタイプなのかもしれません。

その母であるユメヒマワリはシンボリクリスエス産駒で中央未勝利ながらも園田で8勝を挙げる成績を収めており、通算81戦走るというタフさも注目すべきでしょうか。

きょうだいたちはすべて地方で勝っており、かなりポテンシャルは高そうな血統です。

あと余談ですが個人的にサドラーズウェルズやロベルト系が好きなのでそこもポイントが高い。

 

まさにダート短距離で走りそうな馬だけに、募集されるとなればかなり人気が集まりそうな気はします。

あと問題は厩舎。

 

 

頭目の落札となったのがこちらのカレンブラックヒル産駒の牡馬となります。

名義こそ違いますがこうやって同じ種牡馬を2頭落札するあたり、かなり評価しているのかなと思ったりもします。

母トロピカルタイムはダートで3勝を挙げているブライアンズタイム産駒です。

きょうだいは中央や地方で勝っている馬がおり、多種多様。

因みに2歳上の全兄ターニングアップは未勝利ながら既に1200万円は稼いでいるという馬。

出走数がちょっと多すぎる気もしますが、まあ兄の馬主がミルファームなので…。

というか何となく名前見おぼえあると思ったらデビュー戦の勝ち馬モンファボリじゃん。じゃあ見てるわ。

 

兄が中々勝ちきれないところを見ると、距離は短めにしたほうが結果はもっと残せる可能性はありそうな気がします。

 

 

この名義3頭目の落札となったのはモンテロッソ産駒の牡馬です。

モンテロッソドバイワールドカップを制しており、その前年もヴィクトワールピサの3着と好走するなど、ダートでも芝でも走っている馬でした。

日本で供用され、産駒は芝ダート問わず走っている印象があります。

母マコトスズランはサンデーサイレンス産駒で、中央で4勝挙げています。

ただ、母の勝ったレースの距離が1200、2400、2200、2000と適性距離ってなんだっけ?のような感じですから中々難しいところ…。

きょうだいには中央4勝のマコトギャラクシー(父キングカメハメハ)や地方5勝のマコトグラディウスがいますが、母も高齢になってきて産駒の勝ち数が伸びなくなりつつあるのかな、という印象を受けます。

モンテロッソに父が変わることでよい影響につながると面白いのですが、果たしてどうでしょうか。

コツコツ稼いでくれるという理念に沿ってくれればおいしいんでしょうけど。

 

 

まとめ

さて、以上の9頭が京サラとその関連する名義での落札馬となります。

全体的に山上氏の好むムキムキのダート馬というポイントが強く反映されているのではないでしょうか。

それと、初仔か高齢の仔という要素から安く抑えているところがポイントになっている気はします。

その中でも、ちょっと方向性の違う血統の馬もいたりと、この中からすべてがクラブやオーナーズでの募集に回るとは限りませんが、募集されれば面白そうだなという血統の馬もいますし、注目したいところではあります。

 

 

 おまけ ~個人的な印象~

ついでですし、最後に落札された9頭で、個人的に気になるなという馬を上げとこうかなと思います。馬体とかはあまりにもさっぱりなので、単純に血統面で刺さったかという判断基準ですが…。

 

◎(詳細次第で出資したい)

バブルウィズジョイの20

ミセススノーの20

ユメヒマワリの20

 

〇(諸々含めて検討したい)

トーセンジュエルの20

ホウショウバレンの20

マウンテンウーマンの20

トロピカルタイムの20

 

△(個人的にはちょっと刺さらない…かな…?)

スリーアフロディテの20

マコトスズランの20