皆様ご無沙汰しております。
やよいです。
先日、会員である一口クラブ「京都サラブレッドクラブ」の2022年産馬の募集ラインナップの最終決定版が公開されました。
来年からはダート三冠が始まり、ダート馬への注目も集まる中、南関では久しぶりの無配三冠馬が誕生。
そのミックファイアは代表の自家繁殖の仔ということで、半妹もくるのでは?という推察や、クラブ馬のきょうだいがどれくらいくるのか、という推察と期待がされていました。
一方セレクトセールで購買をするなどこれまで予想しなかった動きも見られていたのですが、クラブ体制の変更ということで注目をしていました。
コンセプトは「なるべく損を出さないように、そして長く楽しめる」「ダート戦を主なターゲットとする」というもの。
とはいえ昨今の高騰などもあってやはり例年に比べると割高感は否めません。
それでも個性的なラインナップです。
今年も「京都サラブレッドクラブ(以下「京サラ」とします)の募集馬ラインナップをチェックしていこうと思います。
- 募集馬
- ①キープレイヤー2022
- ②コテキタイ2022
- ③サンタテレサ2022
- ④ラッキーハナチャン2022
- ⑤ツバキエンジェル2022
- ⑥ヴァーチュスター2022
- ⑦ベストレート2022
- ⑧シノニム2022
- ⑨ミラクルロンド2022
- ⑩ホワイトフローラ2022
- ⑪ボナデア2022
- ⑫ハニーパイ2022
- ⑬サンバホイッスル2022
- ⑭クリノクロフネ2022
- ⑮ハイスピードカム2022
- ⑯ノーブルクラウン2022
- ⑰ランミネルバ2022
- ⑱キセキノデアイ2022
- ⑲アローシルバー2022
- ⑳アンビホールドゥン2022
- ㉑ マリアージュ 2022
- ㉒ ティザチック2022
- ㉔ ホリデイオンアイス2022
- ㉕ ビーウィッチド2022
- まとめ
募集馬
今回募集されるのは25頭。
昨年よりさらに6頭増えることになりました。
しかもセール購買馬が9頭とかなりの割合。
その多くが昨年から行われている馬見の達人北枕鳩三郎氏セレクトの馬であります。
そういうところでこれまでより傾向が変わっているということは念頭に置いておくべきでしょう。
※個人的な印象での4段階評価。
◎…非常に気になる。検討したい。
〇…気になるので検討するかも。
△…ちょっと様子見。
×…あまり刺さらない
①キープレイヤー2022
父:ブリックスアンドモルタル
牡 青鹿毛 05/07生
1口価格:80,000円
募集価格:4,000万円
生産牧場:武田 修一
育成:シュウジデイファーム
預託予定:栗東・橋口厩舎
今年の募集馬で一番異質の存在と言えるでしょうか。
クラブとしては異例的なセレクトセールでの落札馬です。
突然どうした?と思ったのですが北枕氏セレクトの馬でした。
とはいえ、予想外の落札馬です7.
父はブリックスモルタル。
2019年のBCターフなどを制し、アメリカ年度代表馬にも輝いた馬です。
ジャイアンツコーズウェイの系譜で、日本でも実績のあるサイアーの一族です。
今年が産駒デビューとなり、すでに5頭勝ち上がっているなど好成績。
こちらが2世代目となります。
母キープレイヤーは4勝を挙げていますが、きょうだいはキタサンブラック産駒の バイファーザベストが地方で勝って中央に移籍。
近い近親はそこまでの大物がいないのは気になりますが、ファミリーラインを辿るとトイヤルコスマーに繋がる牝系で、かなりの良血といっていいでしょう。
セリ価格もあってリニューアル以降では圧倒的に最高価格を更新する一口8万円。
まあそれくらいはいくだろうなという感じでしたが、実際に数字を見ると面くらいますね…。
厩舎は橋口厩舎で力はかなり入れているようで育成先もシュウジデイファームと京サラになって以降では初めてでしょうか。エルデスペラードの夏場の休養先で名前は出てきていましたが、こちらを利用する馬といえばみんなも大好きスタコラサッサとパンサラッサなどが真っ先に浮かびます。
評価:△
②コテキタイ2022
父:シニスターミニスター
牡 鹿毛 02/21生
1口価格:44,000円
募集価格:2,200万円
生産牧場:高橋ファーム
育成:加藤ステーブル
預託予定:栗東・西村厩舎
一口4万は十分あり得ると思っていましたが、それより少し上でしたね…。
キープレイヤーより安いのですが、セール組以外では一番の価格で自家繁殖組では過去最高額となります。
全体的な価格高騰の影響を考えると仕方ない面もありますけど。
父シニスターミニスターはもはや説明不要といっていいレベルでダートの活獏馬を出している種牡馬。
特に南関東ダート三冠最終年に誕生した史上二頭目の無敗三冠馬ミックファイアを輩出したのは記憶に新しいですし、後継種牡馬としてインカンテーションもいますがまだまだ勢いはあります。
他の産駒ですとテーオーケインズがJBCクラシックも勝つなどダートではヘニーヒューズ。マジェスティックウォリアー、オルフェーヴルなどとしのぎを削っていますね。
そして生産は高橋ファーム…すでに何度も名前を出しているミックファイアの生産が記憶に新しい、というかそもそもあっちも母を購入して自家繁殖として保有しているの山上代表だしな…。
ミックファイアの活躍もあってセレクションセールではとうとう落札価格が億を超える産駒も現れ、種牡馬としては晩年にきているながらも最注目の種牡馬といえそうです。
母コテキタイは二つ上のバスドラムガールの出産前に購入して高橋ファームに来ており、こちらが2頭目の産駒。
それまでは名門グランド牧場で繁用されていました。
その母自身が浦和桜花賞を勝っている地方ながらも重賞馬という存在で、普通に良血。グランド牧場時代に出産したほかのきょうだいも成績は非常に良く、地方で19勝を挙げた全兄となるナリタミニスターや半兄スズカコテキタイが中央OP入りするなど募集馬の中でもきょうだい成績は非常に優秀です。
先ほども触れたバスドラムガールは募集開始時の馬体からあまり人気していませんでしたがデビュー後は安定した成績を残して7月に勝ち上がりを決め、1勝クラスでも十分勝負できる段階。
そういったことを踏まえるとこの価格帯になるのは当然と言えるでしょう。
育成先は加藤ステーブルかあ…というところですが、クラブとしては初めての西村厩舎。
どちらかといえば芝の活躍馬のほうが多いイメージですが、このチョイスは面白そうです。
評価:◎
③サンタテレサ2022
父:マジェスティックウォリアー
牡 鹿毛 02/23生
1口価格:36,000円
募集価格:総額1,800万円
生産牧場:高橋ファーム
育成:トゥモローファーム
預託予定:栗東・浜田厩舎
半兄フルムは中央OP馬で、その半弟となります。
父マジェスティックウォリアーは他のダート種牡馬上位の中では派手な活躍とは言えませんが、全体的に堅実な成績。
京サラ的にはもう少し活躍馬がいてもいい気がする種牡馬ですが、若干物足りなさは否めないところです。
母サンタテレサはドリームジャーニー産駒でその母アビラ、当馬のおじにはカテドラルがいるという良血です。
地味にクラブ内で勝ち上がり馬を多数輩出している母ノーザンファーム生産馬であることを踏まえると、募集価格上位の1頭であることは間違いなさそう。
ただ、3万円くらいの印象だったので、父も考えるとさすがに高いイメージはぬぐえません。
兄と同じ浜田厩舎ということで、騎手起用などはある程度想定できるでしょう。
そして育成がトゥモローファーム。外厩として使われることがこのクラブの馬では多数いましたが、先の新馬戦で外厩として利用していたストームバンガードも新馬勝ち。
この血統にも縁があるところなのですが、まさか育成からお世話になるとは思っていませんでした。
本州育成というパターンでどうなるのか…面白いところです。
評価:〇
④ラッキーハナチャン2022
父ホッコータルマエ
牡 黒鹿毛 03/25生
1口価格:28,000円
募集価格:1,400万円
生産牧場:宮内牧場
育成:トゥモローファーム
預託予定:栗東・岡田厩舎
今年はサマーセールで多く落札をして界隈を騒然とさせましたがその多くは北枕セレクト。
それ以外の落札馬の1頭がこちらの馬でした。
父はホッコータルマエ。
現在のダート種牡馬界でも幅広い活躍を期待されている馬です。
中央ダート重賞こそまだ輩出していませんがレディバグや南関ダート3冠で活躍しているヒーローコールなどが最近の活躍馬といえるでしょう。
特にヒーローコールに関してはラスボスさえいなければ2冠ぐらいは取っていたと思うレベルでしたし、20年産のダート路線の錚々たるメンバーの中でも特に目立つ存在です。
母ラッキーハナチャンは可愛い名前ですが、中央地方含めて未勝利。
とはいえその牝系は星友から繋がる在来牝系というしっかりしたもので、牝系を重視する傾向のある代表が選ぶのも納得するところです。
きょうだいでは半兄ハイパーステージが中央2勝ですし、近親にはクイーン賞を制したアクティビューティがいるなど活躍馬もいるだけにこの馬自身のポテンシャルの高さも感じられます。
そしてこちらもトゥモローファーム育成。
本州で育成するということでどのように成長するでしょうか。
ストームバンガードが勝ってクラブ的にも勢いがありそうな岡田厩舎ですし、2世代続けてタルマエ産駒で勝ち上がりを狙える1頭になる未来は普通にありそう。
評価:○
⑤ツバキエンジェル2022
父:イスラボニータ
牡 鹿毛 03/01生
1口価格:24,000円
募集価格:1,200万円
生産牧場:グランデファーム
育成:グランデファーム
預託予定:栗東・吉田厩舎
昨年に続きグランデファームからの提供馬となりました。
元々2頭いたのですが、馬体の問題があって今回は1頭のみ。
といっても古馬になってからはマイル戦線を走っており、産駒も芝ダートの短めの距離で走っている印象が強めです。
母ツバキエンジェルは未出走のフォーティナイナーズサン産駒。
母父は中々渋めのフォーティイナーのサイアーとなります。
母はサマーセールで落札されましたが結局未出走で繁殖入りしており、この馬が初仔となります。
母の生産はクラン日高牧場で、同じ年に産まれたのが今年の大阪杯を制したジャックドールだったりします。
近親には目立った活躍馬はいませんが、少し離れた親戚に中央1勝のハウピアがいます。
血統的にはミスプロの5×5くらいでさらにさかのぼるとクロスが複雑に絡み合っているようですがそこまでインパクトが強いのかなという印象。
正直もう1頭提供予定だったイエロースターのほうが魅力的だなあと思っていました。
画像と即尺が出るまでは…。
その体重
5 4 6 キ ロ グ ラ ム
いやいやまてまて、本気で言ってんの?
と目を疑いましたが他の即尺を見るとカタログコメントを踏まえるとどうもあってそう。
とんでもないゴツイ馬来ました。これ母もデカいから脚元持たなくてデビューできなかったパターンだったりする??
まあ動画を見る限りだと相当時間がかかりそうではありますが、面白いな…。
評価:○
⑥ヴァーチュスター2022
父:モーニン
牡 栗毛 03/26生
1口価格:20,000円
募集価格:1,000万円
生産牧場:岡野牧場
育成:グランデファーム
預託予定:栗東・高橋康厩舎
半姉はクラブで勝ち上がったデアノヴァとなります。
勝ち上がった時点で既に弟のクラブ募集は期待されていましたね。
ということで待望の瞬間となるわけですが…。
父モーニンはヘニーヒューズ産駒でフェブラリーステークスやコリアスプリントを制しています。
今年デビューの産駒が初年度でこちらが2世代目の産駒となります。
現役後半では芝の重賞にも出走しており、馬券内こそありませんでしたが活躍の場を求めていました。
今年デビューした産駒は中央では未勝利ですが地方では猛威を振るっており、もしかするとサウスヴィグラウスの再来みたいなことになるのでは?とも思ったりするくらい。
母ヴァーチュスターは1勝を挙げているシンボリクリスエス産駒で、デビューできたきょうだいは中央・地方でそれぞれ2勝以上は挙げているという打率の高さを誇っています。
そして祖母エルノヴァはステイヤーズステークス2着と活躍したサンデーサイレンス産駒で、その母シンコウエルメスから繋がる一族はディーマジェスティやタワーオブロンドなど多くの活躍馬を輩出している牝系です。
デアノヴァの弟、育成はグランデファーム、そして厩舎はクラブ会員の満足度では関西最上位であろう高橋厩舎。
まあ売れるでしょうねという具合です。
評価:◎
⑦ベストレート2022
父:ビッグアーサー
牡 鹿毛 04/14生
生産牧場:高橋ファーム
1口価格:20,000円
募集価格:1,000万円
生産牧場:高橋ファーム
育成:グランデファーム
預託予定:栗東・羽月厩舎
サマーセールで主取となり、こちらに回ってきました。
血統的に売れないのは意外でしたが…。
父ビッグアーサーはサクラバクシンオー後継として期待のかかる1頭。
京阪杯を勝ったトウシンマカオなど上位クラスで好走している馬も多数輩出しており、父のように晩成として考えれば産駒の活躍もこれから期待できそうです。
産駒は芝ダート問わず短距離で走っている印象です。
母ベストレートは中央1勝で、産駒はすべて京サラ所属馬。
既にデビューしている姉2頭はともに勝ち上がっており、打率の高さが伺えしれます。
母父ゼンノロブロイですし、成長力も期待できそうな血統ではあります。
おじには青葉賞などを勝ったアドマイヤメインがおり、祖母はクイーンステークス制覇のプロモーションという期待の持てる牝系なのも魅力的です。
サマーセールでは売れなかったのですが、もしかすると芝向きなのが敬遠されたのかもしれません。
セール自体がどちらかといえばダート馬目当ての人が多いのもあって、芝だろうなという馬が主取になったのは何頭かやはりいた印象でした。
姉たちはシニスターミニスター産駒で一つ上の姉テルセイラはイスラボニータ産駒。
そこらへんとはやはり毛色が異なる父なのでどう転ぶでしょうか。
厩舎は羽月厩舎ですが、そもそもクラブに来る経緯を考えたらまあ…。
評価:○
⑧シノニム2022
父:コパノリッキー
牡 鹿毛 03/15生
1口価格:19,000円
募集価格:950万円
生産牧場:藤春 修二
育成:吉澤ステーブル
預託予定:栗東・新規開業厩舎
北枕セレクトによるサマーセール落札馬です。
父はダートG1レースを11勝したコパノリッキーとなります。
この世代が4世代目となりますが、中央では超大物はまだ出ていません。
ただ、地方では今年の東海ダービー馬セブンカラーズが出てきており、今後の活躍に期待したい種牡馬でしょう。
母シノニムは未出走のフレンチデピュティ産駒。近親もそう活躍馬もいるわけではないので正直ちょっと考えるところです。
とはいえ牝系を辿るとセントライト記念を勝ったラガーチャンピオンや障害重賞8勝のコウエイトライが出てきており、大物が出てくる可能性は十分ありそう。
そんな母の初仔がこの馬となります。ツバキエンジェルと比べるとさすがに小さいですがそれでも460キロ台はあるようで十分サイズはあります。
育成は珍しく吉澤ステーブルとなります。京サラとなってからは初めてでしょうか。
トゥモローファームと言い今年の育成先はかなり多彩ですね。
そして厩舎は新規開業予定と…
評価:△
⑨ミラクルロンド2022
父:ファインニードル
牡 鹿毛 05/05生
1口価格:14,000円
募集価格:700万円
生産牧場:船越牧場
育成:加藤ステーブル
預託予定:栗東・佐々木厩舎
こちらも北枕セレクトのサマーセール落札馬です。
父ファインニードルはアドマイヤムーン後継の種牡馬となります。
サイアー的には突然変異的な中距離馬だったアドマイヤムーンと違って2018年の春秋スプリントを制覇するなど短距離で活躍しています。
産駒も現時点ではやはり短距離志向といった具合です。
きょうだいは地方では勝っている馬は多いのですが中央だと長男カプリチオーソが中央で勝っているくらい。
近親に目を向けるとアルゼンチン共和国杯を勝ったルルーシュがいます。
父と母父はともに短距離で走る産駒を輩出していますし、相性は良さそうです。
かつ遅生まれですから…色々妄想が掻き立てられます。
評価:○
⑩ホワイトフローラ2022
父:デクラレーションオブウォー
牝 芦毛 03/26生
1口価格:26,000円
募集価格:1,300万円
生産牧場:宮内牧場
育成:加藤ステーブル
預託予定:栗東・佐々木厩舎
(※北枕セレクト)
ここからは関西の牝馬となりますがその中での最高額となるのがサマーセールで落札されたこの馬となります。
そして当たり前のように北枕セレクトです。
父デクラレーションオブウォーはWar Frontの後継種牡馬で輸入されたのが20年産駒の年からなのですが札幌記念2着のトップナイフやファルコンステークス勝ちのタマモブラックタイ、紫苑ステークスで穴をあけて3着のシランケドなど多彩な活躍馬を出しています。
さらに2歳では札幌2歳ステークスをセットアップが勝っており、間違いなく洋芝では力を発揮できるタイプの様子。
全体的には牡馬のほうが走っている印象がある種牡馬と言えそうです。
母ホワイトフローラは地方で8勝しているスズカフェニックス産駒で、2番目の仔となります。
近親にはマーチステークス勝ちのハヤブサナンデクンがいるなど、活躍馬もいる一族というのは評価できそうです。
厩舎も佐々木厩舎で昨年度から3頭関係のある北枕セレクトでのコンビ。
関係者的に渾身の1頭でしょうか。
評価:△
⑪ボナデア2022
父:エスポワールシチー
牝 鹿毛 02/16生
1口価格:20,000円
募集価格:1,000万円
生産牧場:高橋ファーム
育成:トゥモローファーム
預託予定:栗東・安達厩舎
現2歳のルぺルクスの全妹となります。
父は昨年の地方リーディングに輝いたエスポワールシチー。
母は代表の所有で中央1勝のルーラーシップ産駒です。
母母は阪神JFで3着のコンコルディアという良血で、エスポワールシチーを配することでサンデーサイレンスの奇跡の血量が発生しています。
母母父フジキセキということもあって、母は千直で勝ったのかなという気はします。
さて、兄はとん挫気味ですが、どうなるでしょうか。
育成は本州のトゥモローファームとなっています。
今回トゥモローファーム育成が3頭ですが唯一の牝馬ですね。
そう考えると、かなり期待している1頭なのかも…?
評価:△
⑫ハニーパイ2022
父:カリフォルニアクローム
牝 栗毛 05/05生
1口価格:20,000円
募集価格:1,000万円
生産牧場:前谷牧場
育成:グランデファーム
預託予定:栗東・中尾厩舎
こちらも現2歳ハリウッドブルースの全妹となります。
父カリフォルニアクロームは昨年の時点で自分は全く評価しておらず、代表の入れ込み具合とのギャップがあったのですが、個人的には想定より活躍している印象。
母系のディープ肌だったりすることを考えると、牝系次第であっと言わせてくれるくらいの活躍馬を輩出するポテンシャルがあるのかもしれません。
母ハニーパイはサウスヴィグラス産駒でエーデルワイス賞を勝った実績を持っています。
大体サウスヴィグラス肌は母もですが産駒も短距離志向なのでまあこの馬もダート短距離で走るだろうなと軽率に見積もれるので募集馬を見るうえでは非常に気楽だったりします。
母母父アサティスということで、サウスヴィグラスとアサティスの組み合わせはラブミーチャンなどを輩出しているニックス。
そちらにカリクロはハマれば大きそうです。
兄はまだ未デビューですが、7/8同血となるカリクロ×サウスヴィグラス×アサティスという配合のカリフォルニアが2戦で共に2着。
活躍する可能性は十分あり得そうです。
評価:○
というか、サンバホイッスルの全妹ですから、クラブ的にはかなり縁がある血統です。
20年産のバトゥーキやダズリングダンスの近親となりますね。
⑬サンバホイッスル2022
父:シャンハイボビー
牝 青鹿毛 03/24生
1口価格:16,000円
募集価格:800万円
生産牧場:木村牧場
育成:グランデファーム
預託予定:栗東・羽月厩舎
3歳で中央1勝のバトゥーキの妹となります。
父はシャンハイボビー。ハーランズホリデーの後継種牡馬で日本に輸入された馬となります。
それ以前に産まれた馬としてはルミエールオータムダッシュなど短距離で活躍したマリアズハートがいます。
20年産が初年度でこちらが3世代目となりますね。
初年度では中央はコパノハンプトンが活躍していますが、地方となるとサンタアニタダービー2着で地方の夢を見せてくれたマンダリンヒーローが出てきており、種牡馬としてのポテンシャルを見せてくれています。
それ以外の血統についてはさっきのハニーパイの全姉ということで割愛しましょう。
この一族、元クラブ馬のアピートも地方で勝ちを挙げているのでリヤンドファミユ産駒のリヤンドレーヴ以外中央地方どちらかで勝っているんですよね。
地方が混ざるとあまり評価されにくいのですが地味にやべーやつです。
そういう意味では期待していいのかもしれません。
評価:〇
⑭クリノクロフネ2022
父:レッドファルクス
牝 芦毛 02/28生
1口価格:11,000円
募集価格:550万円
生産牧場:丸村村下ファーム
育成:加藤ステーブル
預託予定:栗東・宮本厩舎
北枕セレクトのサマーセール落札馬です。
とはいっても再上場からの落札でおそらく会場での評価はされてなかったといってもいいでしょう。
父レッドファルクスはスプリンターズステークス連覇を果たした短距離馬。
20年産が初年度でこちらが3世代目となります。
現状あまり活躍馬を出しているとは言えないのですが、芝ダート問わず中距離近い距離まで走ってはいます。
スウェプトオーヴァーボードの後継なので意外と幅広い適性なのかもしれません。
母クリノクロフネは誰がどう見ても触れなくともわかると思いますが、クロフネ産駒の牝馬です。
地方で1勝を挙げているのですが、産駒もちょっと地味め。一応マイネルアミスターが中央1勝ですが…。
牝系はクイツクランチからつながるもので、春天逃げ切りのイングランディーレも輩出した歴史あるファミリーラインとなります。
血統的にはもう1パンチほしいんですが、レッドファルクスとクロフネ肌の組み合わせはハッピーサプライズが勝利を挙げており一応の実績がありますし、価格を考えると普通にねらい目なのかなと思います。
評価:○
⑮ハイスピードカム2022
父:カリフォルニアクローム
牝 栗毛 03/16生
1口価格:10,000円
募集価格:500万円
生産牧場:イワミ牧場
育成:グランデファーム
預託予定:栗東・笹田厩舎
栗東で最安値の馬となりました。
父カリフォルニアクロームは自家繁殖につけている馬を考えると代表もかなり期待している種牡馬なのでしょう。
母ハイスピードカムは中央1勝というスマートファルコン産駒。
勝ち上がったのはダート1800でしたが、かなり模索しての勝利となっていました。
ちなみに母の所属は羽月厩舎、主戦は水口…もうこれ馬主見なくてもだれかまるわかりだな!!!
こちらの馬は初仔となります。
近親にはカペラステークスを勝ったディオスコリダーや中央2勝のテイエムナナヒカリ、ワンダフルトゥデイがいます。
…あっ、ワンダフルトゥデイね…(察し)
というわけで祖母はエリモトゥデイ、そしてその母はレースカムとなり、スキャンやカーリアンを輩出した世界的なファミリーです。
きょうだいの実績を考えるとダートの短いところから中距離まで走りそうな雰囲気ですし、あとはカリクロでどう出るか…といったところでしょうか。
評価:△
⑯ノーブルクラウン2022
父:シニスターミニスター
牡 栗毛 04/10生
1口価格:32,000円
募集価格:1,600万円
生産牧場:イワミ牧場
育成:吉澤ステーブル
預託予定:美浦・相沢厩舎
クラブで募集されていたノーブルオーキッドとレイナアレナの弟となります。
父シニスターミニスターはダートでも勢いのある種牡馬ということで、期待の大きな存在。
美浦では最高額ということで期待の大きさが持てる1頭となります。
クラブで募集された姉2頭は未勝利でしたが期待の大きさがあるでしょう・
近親としてはマイラーズカップなどを制し、種牡馬としては産駒のクラウンプライドが活躍しているリーチザクラウンがいます。
価格もシニミニ牡馬ということを踏まえて1600万という値段。
育成も吉澤ステーブルということでかなり期待の大きさがあるという感じでしょう。
そして厩舎は京サラとしては異例ともいえる相沢厩舎です。
評価:○
⑰ランミネルバ2022
父:ホッコータルマエ
牡 黒鹿毛 06/03生
1口価格:20,000円
募集価格1,000万円
生産牧場:高瀬牧場
育成:グランデファーム
預託予定:美浦・牧厩舎
サマーセールでクラブ主導の落札馬の1頭です。
父ホッコータルマエということで、関東馬ですからダート三冠をも狙っているといったところでしょうか。
祖母はジャパンダートダービー2着のアクイレジアがいますがその母はダートで活躍したロジータという名牝系となります。
血統的には代表が好みそうなタイプだなという感じです。
ただサイズはやはり小さいのは否めません。
まあかなりの遅生まれですから成長次第になりそうです。
評価:△
⑱キセキノデアイ2022
父:ディスクリートキャット
牡 鹿毛 05/16生
1口価格:16,000円
募集価格:800万円
生産牧場:滝本 健二
育成:門別牧場
預託予定:美浦・上原博厩舎
北枕セレクトによるサマーセール落札馬です。
父ディスクリートキャットは今年亡くなりましたが、ストームキャット系の種牡馬で最近ではオオバンブルマイを輩出するなど渋い成績を収めています。
晩年にかけて大物も出てきた感がありましただけに惜しいところです。
母キセキノデアイは未勝利のキンシャサノキセキ産駒。
近親に活躍馬かおらずそういった意味ではかなり評価しづらいのですが、母母父ジャングルポケットという血統構成で府中コースを走りそうなイメージは湧きますね。北枕氏も触れていましたけど。
キンシャサ肌を配することで芝ダート問わず走れそうな雰囲気もありますし、ストームキャット系ということでマイルを先行するスタイルだろうとは思われます。
評価:△
⑲アローシルバー2022
父:フォーウィールドライブ
牡 黒鹿毛 05/09生
1口価格:14,000円
募集価格:700万円
生産牧場:柏木 一則
育成:加藤ステーブル
預託予定:美浦・辻厩舎
北枕セレクトは馬体が主軸なのですが、なんかよく知らん種牡馬きたな、というのが第一印象でした。
サマーセール落札馬です。
父フォーウィールドライブは米のBCジュベナイルターフスプリントを逃げ切りで勝ったアメリカンファラオ後継。
早期に引退というアメリカならよくあるパターンですから能力の底は見えきってないと言いたくはなります。
おそろく早熟性の高いスピードのある血統といえそう。
母アローシルバーは中央地方でそれぞれ1勝を挙げているスペシャルウィーク産駒です。
きょうだいはアローゴールドが地方2勝くらいですが、近親にはキーンランドカップ勝ちのヴィントヴォーチェもいます。
厩舎は新興の辻厩舎です。
評価:△
⑳アンビホールドゥン2022
父:アメリカンペイトリオット
牡 鹿毛 04/29生
1口価格:14,000円
募集価格:700万円
生産牧場:レジェンドファーム
育成:グランデファーム
預託予定:美浦・牧厩舎
こちらも北枕セレクトとなりますり
父アメリカンペイトリオットはウォーフロントの直系種牡馬。直近ではビーアストニッシドを輩出し、地味ながら活躍しています。
母は中央1勝のブルーグラスキャット産駒です。
全体的にニッチな血統だなこの馬…。
きょうだいは地方で勝ち上がりはありますが、いずれも牝馬で牡馬での勝ちがないのはやはり懸念点。
評価:△
㉑ マリアージュ 2022
父:スマートファルコン
牝 栗毛 04/25生
1口価格:30,000円
募集価格:1,500万円
生産牧場:高橋ファーム
育成:吉澤ステーブル
預託予定:美浦・伊坂厩舎
夏前の時点で既に来るのか?と期待され続けていた1頭です。
父スマートファルコンはオーヴェルニュやシャマルを輩出していますが、期待度の割にはイマイチな印象を受けてしまいます。
ただ、何かきっかけがあれば中央で活躍する産駒は出てきてもおかしくはないとは思います。
母マリアージュはブライアンズタイムの産駒で中央4勝と今年度のクラブ馬の母としては実績があるほうです。
ただし、きょうだいの成績は地方ではそこそこだけど…でした。去年までは。
そう、それを全てひっくり返したのが20年に産んだ産駒、その名をミックファイア…。
…と回りくどく言いましたが無敗の南関三冠馬ミックファイアの半妹です。
先も触れたようにミックファイア以外はそこまで産駒成績も良くはないので中々判断に困りますが活躍する素質はあったということでしょう。
厩舎はクラブ会員の中で美浦ではトップクラスの満足度であろう伊坂厩舎です。
ただ、サイズがやはりネックなんですよね。
いくらロベルトの血が入ってるとはいえ、386キロで体重もないですし全体的にボリュームが明らかに足りてません。
今年から始めた母馬優先制度を使うために…という人は多いでしょうけどね。
評価:△
㉒ ティザチック2022
父:カリフォルニアクローム
牝 栗毛 04/06生
1口価格:16,000円
募集価格:800万円
生産牧場:前谷牧場
育成:グランデファーム
預託予定:美浦・和田勇厩舎
21年産の募集馬コルヴィルの半妹となります。
姉はオマハビーチを受胎した状態で持ち込まれたので、こちらが国内で最初に種付けした仔になります。
父カリフォルニアクロームということで、おそらくこれが狙いだったのかなあとは感じられますね。
母ティザチックはティズナウを父に持つアメリカ産馬。
母自身は未勝利でしたが、アメリカで産んでいる産駒は初仔が4勝を挙げています。
また、当馬のおばにあたるティザヒットは重賞馬でG1馬を産んでいます。
そういったアメリカ競馬のスピードを現わすような一族で、牝系にはロードクロサイトの母フォークロアがおり、コントレイルを輩出していることからもスピード力はありそうです。
厩舎的にも面白そうですが、気がかりなのがサイズ…。
マリアージュより小さいのはちょっと色々考えるところです…。
評価:△
㉓ メルティングポット2022
父:ディスクリートキャット
牝 栗毛 03/20生
1口価格:14,000円
募集価格:700万円
生産牧場:高橋ファーム
育成:高橋ファーム
預託予定:美浦・新開厩舎
ここから先は高橋ファーム生産…ということでまあ自家生産馬が続きます。
1頭目はディスクリートキャット産駒となります。
母メルティングポットは大井で3勝を挙げているハードスパン産駒。
そして所有していたのはゴドルフィン…。
そう考えるとディスクリートキャットなのは納得です。完全にゴドルフィン血統ですもんね。
受胎した状態でセールに出されて落札されて高橋ファームに来たという経緯となります。
父は亡くなってしまいましたが輸入した後につけられたオオバンブルマイが活躍するなど、芝での成績も良好。
ハードスパン産駒も芝重賞勝ち馬を輩出しており、母は大井で走っていたとはいえ芝で走ってもおかしくないかもしれません。
厩舎はクラブ的にはほぼ初めてでしょうか、新開厩舎です。
評価:△
㉔ ホリデイオンアイス2022
父:バンブーエール
牝 黒鹿毛 03/15生
1口価格:12,000円
募集価格:600万円
生産牧場:高橋ファーム
育成:高橋ファーム
預託予定:美浦・鈴木慎厩舎
令和の時代にバンブーエール産駒がきましたか…。
このクラブ、たまに珍しい種牡馬が来るのですがそれがこちらですね。
父バンブーエールはJBCスプリントを勝っている馬ですが、やはり日高で頭数も多くないこともあってかなり地味目。
その中でもキャッスルトップなどを輩出しており、種牡馬としての素質の高さは感じられます。
母ホリデイオンアイスは社台生産のダンスインザダーク産駒です。
ただ、きょうだいとしてはダブルコークが中央2勝以外は地方で勝っている馬がちらほらくらいと正直期待度の高さほどの産駒成績とは言えません。
しかし、そのファミリーは世界的なもので、祖母がカーリング。
おじがローエングリンといえばこの馬がかなりの牝系だということはわかるでしょう。
牝系の良さがここで発揮されれば面白い存在かもしれません。
評価:△
㉕ ビーウィッチド2022
父:マジェスティックウォリアー
牝 鹿毛 04/22生
1口価格:10,000円
募集価格:500万円
生産牧場:高橋ファーム
育成:高橋ファーム
預託予定:美浦・中川厩舎
この血統をクラブで見るのも3年目、いや黒歴史と化したオーナーズも含めると4年目でしょうか。
ずっとマジェスティックウォリアーをつけ続けているビーウィッチドきょうだい初の牝馬です。
父マジェスティックウォリアーは今年にかけてはやはりプロミストウォリアの活躍が目立っています。また大井ではセイカメテオポリスが躍進。
今後のさらなる活躍が期待されています。
祖母ロフティーエイムという良血です。
きょうだいは…まあ…うん…という感じ。
決して走らないというわけではないのでしょうが、マジカルモーションが体質面で苦労うしていましたし、体質が良ければ走りそうでした。
そう考えると、牝馬に出たこの馬はちょっと違った毛色になるのではないかなという楽しみもありそう。
評価:△
まとめ
色々見ているとやはり関東より関西のほうがメンツは揃っている気がします。
ということは、逆に関東に掘り出し物がいるかもしれませんし、関西でもいい意味で予想を裏切ってくる馬がいる可能性もあります。
去年は4頭ぐらいに絞るとか言っていたのですが最終的には7頭。
…最後の1ピースだったシエロエルモーサは屈腱炎でファンド解散となってしまいましたので実質6頭でしたが。
恐らく今年も最大で6頭くらいになるとは思っています。
ただ…絶妙に絞りづらい!
自分は京サラの様子見するスタイルを無視して最初からほぼ固めるスタンスなので、まあほぼ確定で出すとは思いますが…。
今年から出資後の申し込み書類がなくなったのでかなり軽率に出来そうです。
去年まではそれが面倒だったのもありますからね…。
とりあえず募集価格的に踏まえても一口2万をボーダーと考えて2勝できるかいなかを判断ラインにするつもりではいます。
それを踏まえての執筆時点での(重要)評価をまとめると
ここで評価が低くて「なんでだよ???」って思っている方すみません、独断と偏見で判断したので寛大な心で見てもらえれば…。
なぜなら昨年×評価にしていたストームトウショウの21ことストームバンガードが新馬勝ちしているので…。